手ぬぐいの違いで、染め方のほかに、生地の違いがありますよね。
サイトと過去のブログにも、文生地・岡生地・特文生地・特岡生地について書いていますが、
今回は、よく使われる岡生地について、少し詳しく説明したいと思います。
みなさんが手にしたことのある手ぬぐいは、ほとんどが岡(おか)生地です。
作る側からすると、岡生地は価格も抑えられるし、染めやすく不良品が出にくいため、岡生地が多いのです。
では、岡生地とはどんな生地なのでしょうか?
◆細めの高級な糸を使用
岡生地:30番手(ばんて)
文生地:20番手 ※総理(そうり)生地とも言います。
番手(ばんて)というのは、数字が大きくなればなるほど、ほそい糸のことを表します。
ですので、番手の数字が大きい岡生地のほうが、文生地よりもほそい糸を使用しています。
糸がほそいので、1枚の生地に使用する糸の本数は、多くなり、文生地よりも少しだけ高級価格になります。
◆なめらかで柔らかい手ざわり
文生地よりも、糸が細いので、生地は薄手で柔らかくて、サラッとした印象です。
お客様からも、「薄手な感じがしますね。」とか「文生地よりも、なめらかですね。」と感想もらうことが多いです。
薄手なのは、糸が細いのが原因なのですが、薄手なので、柔らかい生地ともいえます。
生地1枚に使用する糸の本数を多くして、密度を上げていますので、目が細かく、
凸凹があまり感じられないので、手触りはサラッとします。
文(ぶん)生地は、糸が太く、また、目が粗いので、布巾のような少しザラッとした感じで厚手です。
◆綺麗に染まりやすい(本染め)
本染めで作成いただく方には、岡生地をおすすめすることが多いのですが、
それは、岡生地のほうが綺麗に染まりやすいからなのです。
文生地は、画像の様に本染めで染めたときに、毛細血管のように、
白い部分に色が入ってしまうことがありますが、岡生地はそうなる可能性が非常に低いのです。
本染めは、白く残しておく部分に、海藻等で作った防染糊でコーティングしていき、
染料がその部分に入らないようにするのですが、文生地は糸が太いので、
糸の中心まで糊が浸透しにくく、糸の中心を染料が通ってきて、白になるはずのところに、
毛細血管みたいに、ピッピッピッと色が入ってしまうことがあるのです。岡生地は、
糸が細いので防染糊が糸の中心まで浸透しやすく、白い部分に色が入ってしまうことが少ないです。
また、岡生地は目が細かく凸凹が少ないため、細い線とかが文生地よりも、はっきりと出やすいです。
◆細かいデザインを表現しやすい(プリント手ぬぐい)
染めよりも細かい線をだしやすい、プリント手ぬぐいの場合も、生地で印刷具合が少し異なります。
まず、文生地は目が粗いので、0.4mm位の小さな点とかが、生地の目の間に入ってしまって、
無くなってしまう場合もあります。岡生地は、目が細かいので、細かい点も生地に載りやすく、
細かい柄にも適しています。
どうでしょう?岡生地について、ご理解いただけましたでしょうか?
岡生地は、本染めでもプリントでも綺麗に染まりやすいので、オリジナル手ぬぐいをご検討なら、
おススメの生地といえます。
ただ、ここまで書くと、文生地が悪い生地のようですが、むしろ手ぬぐいらしい風合いは、文生地です。
染めると、線がぼやけたり、滲みがちなのが、手染め感があっていいという方も多いですし、
厚手なところがお好きな方も多いです。
生地による違いがあるのも、手ぬぐいの面白さですので、色々な生地でご検討ください。
ご注文が決まったお客様には弊社から生地サンプルを送付させていただくこともできますのでお気軽にお申し付け下さい。