FROM 手ぬぐい神野 辻良岳
自宅にて、、、
手ぬぐいは、ハンカチよりも機能性が劣るものなのか?
手ぬぐいは、所詮、趣味の粋のものなのか?
とある日の午後、久しぶりに会った友人と、食事をしているとき、
自分の仕事の内容で盛り上がっていたのですが、
友人からの挑発的な一言が、一瞬で僕を怒りの色に染め上げました。
「手ぬぐいなんか、趣味の域に過ぎないよ。」
使っている人をみた事ない、そもそもの需要がない。
その友人はハンカチしか使わないからとのことです。
たしかに、いままでに僕も少なくとも10万枚は、オリジナルで手ぬぐい制作に携わってますが、
実際に使用されているところは、社長の神野と僕以外で見たことは、ほとんどありません。
一般的には、ハンカチが主流で、百貨店でも、
生活関係のブースでは、ハンカチか、ハンドタオルしか見かけません。
手ぬぐいはというと、おしゃれ雑貨として扱われ、タペストリーとして飾られたり、
生活で使われるものといった扱いではないんです。
それでは、手ぬぐいは、ほんとうに実用的なものでないのでしょうか?
答えは、はっきりいって真逆です。
「圧倒的に、手ぬぐいが実用的です。」
なぜここまで断言できるか、それは、生地の製法による違いついて、お話すればご納得いただけるでしょう。
そもそも、手ぬぐいとハンカチでは生地の製法が異なり、おおまかに言うと、手ぬぐいは和晒(わざらし)、
ハンカチは洋晒(ようざらし)に分かれます。
洋晒は、最長でも約80分程度という短時間で、ひっぱたり、毛羽立ちを熱で焼いたり(厳密には焼いてません)、
繊維に大きな負荷をかけながら処理します。仕上がりは、毛羽立ちが少なく、サラサラした物に仕上がります。
和晒は、約40時間程度の時間をかけて、ひっぱたり、焼いたりせず、生地(原反)をそのまま、精練していきます。
生地にストレスをかけないため、生地に毛羽立ちが残り、糸が無理やり引っ張られたりしていないので、
多くの空気を含んだ柔らかい生地に仕上がります。
それでは、この製法の違いによって、どちらが実用的な生地になるのでしょうか?
まず、実用的かどうかは、吸水性・速乾性・収納性の3点でほぼ決まるのですが、
収納性はどちらも細かくたたむことが出来るので、差はほとんどありません。
では、吸水性はどうでしょうか?
洋晒のハンカチは、糸に毛羽立ちが少なく、糸にテンション(引っ張り)をかけられているので、空気の含みが少ないため、
水を抱え込める場所が少なく、吸水性は下がってしまいます。
それに対し、和晒の手ぬぐいは、毛羽立ちも適度にあり、生地にテンションかけていないので、空気を良く含んでいて、
水を抱え込める場所が多いんです。当然、水を良く吸います。
もう一つ、速乾性はどうでしょう?
差の要因は吸水性と同じです。
洋晒は、水を抱える場所がすくないため、入りにくく、一度水が入り込むと、出にくいのです。
和晒の手ぬぐいは、水が入りやすいということは、出るのも簡単なのです。
電車を想像してもらうと、わかりやすいでしょう。
満員電車の中央に入り込むのは、入り込むのも当然大変ですが、出るのはさらに大変です。
「すみません。」とかいいながら肩をすぼめながら、出ていくわけですけど、下手すると間に合わず、
ドアの前で、周囲からの同情の視線に顔が真っ赤になります。
それが、空いている電車なら、入るのも出るのもスムーズですよね。
洋晒は満員電車で、和晒は空いている快適な電車みたいなもので、吸水性と速乾性に優れているのです。
これでお分かりいただけたかと思います。
手ぬぐいがより生活に適した実用的なものであるということが。
吸水性、速乾性に優れた手ぬぐいを1枚、ハンカチ・ハンドタオルの代わりに、使ってみてください。ぼくの言いたいことが分かるはず。
なんなら、体を拭くのに使ってみてもいいかもしれません。昔は、タオルじゃなくて、手ぬぐいで体を拭いていましたから。
「趣味の域にすぎない」なんてとんでもない、日本にしかない和晒し生地の良さ、知ってください。
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手ぬぐい神野 辻良岳